ARTIST
プロフィール
キサブロー
着物デザイナー
E-39
創業100年の仕立て屋「岩本和裁」の4代目<キサブロー>は、
着物業界の革新的存在であった初代・岩本喜三郎の名を受け継ぎ、
和洋のみならず性別のボーダーを越え、全ての人々を既成概念から解放することを目標に、
ありのままの自分に寄り添うアウトフィットを提案するブランドです。
「自分自身が望むライフスタイルを」「出来るだけ心地よく身に纏う」。
そんな心身共にリラックスした状態こそキサブローが目指す「着物」の在り方です。
また、直線裁ちにより残布を出さない「着物」が本質的に持つエコな成り立ち、それを守って来た日本の先人達の取り組みに敬意を表し、
限りある資源と地球環境に対して微力ながらも貢献が出来るよう、モノづくりに真剣にやんちゃに取り組んで行きたいと考えています。
WORKS
「鬼滅の刃」スペシャルイベント『鬼滅の宴』衣装制作衣装制作
NHK「LIFE!SP 忍べ!右左エ門」衣装制作
シュウウエムラ旗艦店1周年企画のデザイン
羽生善治棋士 第31期竜王戦着物制作
WORKS
作品情報
おかやアートフェスティバルMIX2023へお越しの皆様
こんにちは、着物デザイナーのキサブローです。
今回は糸の都「岡谷市」が会場という事でシルクと繋がりのある作品を展示させていただきます。
まずトルソーに着付けられている白い羽織のルックは、
化粧品ブランドshu uemuraのメイクアップアーティストがメイクショーで着用した衣装です。
絵の具や墨汁を使った激しいメイクショーだったので羽織にその痕跡が残っています。
こちらの白い羽織は半紙と生地をニードルパンチという技術を使って圧着させてできており、
半紙と生地を圧着させるために表面に真綿が使われています。
近くで見るとたくさんの繊維が見えると思います。
真綿とは蚕の繭を引き伸ばして作った綿です。
シルクは糸だけでなく薄く保湿性保温性が高い綿としてもとても魅力的な素材です。
もう一つのトルソーは舞台でダンサーが着用した衣装です。
シルク製の着物を一度解き、繋ぎ合わせてできています。
着物は直線のみで裁断するため解くと元の生地の形に戻り、仕立て直したり他の物へと再生して長く使うことができます。
着物の作りからもいかに生地が貴重であり大切に使われてきたかがわかります。
最後に、ハンガーに掛けられているのは魔除けをテーマに映像を作った際に着用した羽織フードです。
羽織の衿がフードに延長されています。また背面には邪気払いのデザインが施されています。
こちらは自由に羽織ることができるのでぜひ羽織ってシルクの軽さを体感してみてください。
私は着物デザイナーとして着物とシルクの魅力をこれからも伝えていきたいと思います。
キサブロー