ほふる園 豊かな贄

初めて諏訪の守谷資料館を訪れ、諏訪大社の祭祀「御頭祭」の資料を見た時、動物の供物の展示が自分の作品と似ている部分があり、じっくりと見学したのを覚えています。

資料によると、動物たちを供物としそれを神官たちも共に食す「神と人との饗宴」を行なっていた時の再現とのことでした。 大量の鹿や猪の首や、串刺しの兎など、一見恐ろしい見た目なのに、なぜか怖さよりも、「生」や「活」といったポジティブな印象と自然への畏敬の念のようなものを思ったことを覚えています。 人知を超えた何かと共に食事の席に着くかのように、春を祝い感謝する、物質的にも精神的にも豊かさを感じたからかもしれません。

あの時見た、呪術的で神秘的な諏訪の供物たちは少なからず私の制作に影響を与えてくれていると思います。

今回、この地で個展を開催できることを嬉しく思います。